2015年8月29日土曜日

見えたままの形

アルファ1期生の授業より。

2種類の白い花。
それぞれの花の特徴を、形・手触り・匂いなど、細部までじっくり観察しました。

そして、2種類のうちのどちらかを選んで、画用紙にスケッチ。
アルファ始まって以来の静けさ!で、抜群の集中力を発揮しつつ、
バラの花びらの重なる様子や、菊の中心の「つぶつぶ」など、
普段見過ごしがちな細部にも目線が届いている様子が伝わってきました。

すてきなスケッチが出揃った中、特に印象的だったのは、Kくんの葉っぱのスケッチです。

今日のスケッチの心構え「見えたものを見えた通りに紙にうつす」を見事に実践。
見えた通りに描くとは、すなわち「思い込みで描かない」ということです。

誰しも、「花とはだいたいこんな形だろう」「葉っぱはだいたいこう」という、頭の中の
イメージがあります。物事を記号化して覚えるのは悪いことばかりではないのですが、
それでは現実がみえなくなってしまう危険もあります。
この場合の現実とは、ありのままの花や葉の形であり、それが好き勝手な方向に向いている
様子でもあります。
Kくんの葉っぱがリアルに見えるのは、その「勝手気侭で自然な様子」が描き写せているから
であって、葉っぱが生き生きと空間に在る様子が描けている、とも言えます。

このように、自分を単なる「スキャナー」にしてしまうと、2次元であれ3次元であれ、
対象がより一層よく見え始めるものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿